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動力伝達方式
ロッド式

ピストンの往復運動をロッドで直接的に動輪に伝達する方式。
シリンダーとメインロッドと動輪そのものがレシプロエンジンを構成するが、通常はレシプロと言う用語を用いない。
ほとんどの蒸気機関車がこの方式を採用している。


歯車式

ピストンの往復運動を回転運動に変換し、その回転運動を歯車により間接的に動輪に伝達する方式、もしくはピストンの往復運動をクランクシャフトで回転運動に変え、シャフトとギアで動輪に伝達する方式。
詳しくはギアードロコの項を参照。


摩擦式

輪を上下2段に付け、上段の動輪をシリンダーで駆動し、下段の無動力の車輪を摩擦により間接的に駆動する方式。
歯車比の理論を当てはめて考案されたもので、速度を上げる場合は上段を大きく、下段を小さくし、牽引力を上げる場合には上段を小さく、下段を大きくするという物であるが、実際には成果を上げず摩擦機構の問題も多かったため実用化しなかった。
主な形式は1876年ドイツのエルザス・ロートリンゲン鉄道向けに製造されたものであり、D7形451号「ファゾルト」という形式を与えられ1906年まで在籍していた。
上段と下段の車輪径の比率は1:3で、牽引力を重視したため最高時速はわずか時速10kmだった。
後に似た方式をアメリカのホールマンとユージーン・フォンテインがそれぞれ考案している。


独立駆動式

V字型の蒸気エンジン1基を1つの動輪に直結させ、直接動輪を回転させる方式。各動輪間は連結されておらず、ロッド式のような重い可動部を持たない。
静粛性や高速走行に優れる反面、引き出し時などに空転が起こりやすい欠点があった。
ヘンシェルが製造したドイツ国鉄19.10形蒸気機関車が代表例であるが、実用化された時期が遅く、ディーゼル機関車の台頭期と重なったこともあって量産されず、短期間の運行のみに終わった。